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週刊社長猪股護

黒字を蓄えて見えない利益を呼び込め

会社には常に蓄えが必要だ。
私は起業以来、最初は本業のみで、後には本業を原点とした別の事業も加えてコツコツと積み上げた利益から、法律で許される最大限の備蓄を心掛けてきた。
と言ってもそれは大げさなものではなく、利益剰余金の類だ。利益剰余金とは、企業が得た利益の中から企業内に留保したものを指し、資本金や資本剰余金などと共に株主資本を構成する6項目のひとつをいう。
一度も赤字を出さなかったせいか、ポパルの利益剰余金はいつの間にか資本金の何倍にもなっていた。

蓄える理由、それは会社の体力、つまり財務体質の強化だ。
1年ごとに積み重ねていく会社経営は、確実に利益を得て、次の1年、そのまた次の1年も継続して利益を上げていかなければ成り立たない。コツコツと積み上げた利益の一部を次期以降を見込んだ攻めの投資に振り分け、残りを利益剰余金として株主資本も膨らますのだ。
だが、一転して守らなければならない時もある。何度か見舞われた不況の時期がまさにそうだ。37年に渡る黒字経営であっても、必要な時は必要な額を取り崩し、資本に回すことによって事業を継続してきた。
またビジネスがグローバル化している今日では、アメリカのサブプライム問題のような対岸の火事の火の粉でも、風向き次第で影響を受け、急激に危機に陥る可能性もある。
万が一不測の事態が勃発したとしても、会社に十分な蓄えがあれば乗り切ることができる。今でも1年や2年の不況なら耐えられるだけの体力はある。

さらに蓄えの影響は、思わぬところにも波及している。そのひとつが、銀行調達におけるコンペだ。
「銀行調達コンペ」では、ポパルが融資を受ける際、複数の取引銀行に来社していただいて利息競争をし、私が落札銀行を決める。コンペを実施することにより、返済利息は通常より遥かに少なくなる。
この話をすると、大抵の経営者や経理パーソンに「銀行がコンペに応じるなんて」と驚かれる。まず耳にすることの無い調達コンペに銀行が応じるのは、ポパルの財務体質をよく知っているからだ。
「見えない利益」も赤字を出さない経営の強みなのだ。

(2009年11月10日)

赤字を出さない経営 それは足し算引き算

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