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週刊社長猪股護

組織作りの要、猪股流社員掌握術を聞く

ある日、社長室を訪れた珍しい来客。その面談の最中に明かされた、赤字を出さない組織作りの秘密について、猪股社長から話を聞いた。

先日、さる取引銀行の支店長が担当行員と共に来社し、猪股社長と面談したという。
銀行マンの中でも特に、その支店長は基幹店の長・エリアを束ねる取締役的な立場にある。そんな要職にある人物が取引先企業を個別に訪れることなど、まずあり得ないことだ。

彼らの面談の目的はポパルとの取引額を増やすことだった。
給与ダウンやボーナスカット、果てはリストラといった暗い話題で世間が渦巻く今、万が一取引先企業が倒産すると銀行は損失を丸抱えしてしまう。だからこそ、十分な資産を保有する優良な企業との結びつきを強化したいという思惑が銀行側にはある。
ポパルはその点、支店長クラスが認める優良な企業だといえるだろう。

実際、担当行員が受け持つ10数社のうち増益はポパルのみで、他は軒並み減益を通り越し赤字らしい。
「この不況時に何故、赤字を出さない経営を続けられるのか」との支店長の問いかけに、猪股社長は「社員が皆、優秀だから」と答え、さらに「社員のことを知って適材適所に配置するから、赤字を出さない」と続けたという。

社員を知り、適材適所に配置する…言葉にするのは簡単だが、ポパルには現在、110名もの社員が在籍し、本部から遠く離れた地で頑張っている社員も多い。その一人ひとりをどうやって知るのだろうか。
よく聞かれるのがアフター5に酒を飲むというコミュニケーション方法だが、実は猪股社長は酒を一適も飲まないし、飲めない社員、無理に飲まない社員も増えてきた。

そこで猪股社長が取る「社員を知る方法」のひとつが、誕生日プレゼントの商品券に、社員それぞれに宛てた手書きのメッセージカードをつけるというものだ。
このメッセージは、猪股社長と社員たちが直接会話をするきっかけを作ると共に、管理職の能力や組織のあり方をチェックする機能も有しているという。

秘密は、中間管理職の社員たちに下される指令にあった。
誕生日の少し前、複数の上司や先輩が、社員の仕事振り、長所や欠点を報告書にまとめる。猪股社長はその情報を元にメッセージを考える。
しかし上司も人間、部下に対して恣意的な評価が混じるかもしれない。だからこそ複数の目から報告を上げさせ、時には確認や質問を繰り返すこともある。

こうして書き起こされる、誕生日を祝うだけでない、本人の活躍を知った上での叱咤激励のメッセージを読み、「社長は何故、こんなに詳しく自分のことを知っているのか」と驚く社員は少なくない。
そして、受け取った本部の社員は当日中に社長室へ赴き、遠方のスタジオ社員は電話をかけてくるという。その反応から社員の能力を再確認したり、新たな一面を見出すこともあるそうだ。

猪股社長は「社員全員と直接コミュニケーションを図る方法としては、飲みに行くよりも確実・平等で、成果もはるかに上げることができている」と胸を張る。
社長と社員が意思疎通を図り、社員たちが社長の理想に合った動きをしているか確認する。さらに社員それぞれの能力を把握し、その能力を組み合わせて強い組織を作る…この話を聞いた銀行マンたちは、猪股流の社員掌握術と組織作りに納得した様子で社長室を後にしたそうだ。

(2009年12月11日)

社長室から

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